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中論・第十章 炎と燃焼との融合に関する検証

第十章 炎と燃焼との融合に関する検証に入る前に西嶋先生の解説です。

この章においては、われわれが日常生活の中で使っている火を取り上げて、その抽象的な表現である火という捉え方と、科学的な観点から捉えた酸化現象としての燃焼という捉え方とを対比した上で、その両者が現実の世界では炎という実体として登場して来ることを説いている。しかも仏教的な現実主義の立場からするならば、抽象的な概念としての火と科学的な実体としての燃焼という二つの捉え方が一つに重なって、われわれが日常生活の中で日々使っている炎という実体に発展するのであるが、仏道の世界では更に言葉では表現することの出来ない現実、すなわち「言い難き何もの」かに発展する。この四段階に亘る仏教哲学の理論構造を欧米哲学における弁証法と対比して見ると、欧米の弁証法においては、ヘーゲルの観念論弁証法においてもマルクスの唯物論弁証法においても、正・反・合という三段階の論理構造が取られているのであるが、実在論の立場を主張する仏道の立場では、正・反・合・実という四段階の論理構造が取られている。そしてこの正・反・合・実という四段階の論理構造が、仏教哲学に於ける根本的な論理構造である苦・集・滅・道という四諦の教えと、全く同一のものとして理解することができる。

抽象概念 : 燃焼
具体概念 : 炎
現実概念 : 火




坐禅をしました
※我々がなんとなしに毎日使っている「火」という現象を考えてみると科学的現象として抽象的に「燃焼」と考え、そして感覚的な感受作用で捉えて具体的に「炎」と考える事が出来る。



弁証法=物の考え方。論理的に「AはAである」という基本だけにするならば、「AはAであるがAでない」という矛盾が起こればそれは偽だとなるが、それに対して必ずしも「矛盾は偽だ」とは決めつけずに、物の対立・矛盾を通してその統一する境地に進むという考え方。「正」に対しその否定たる「反」が起こり、この否定・矛盾を通して両方に折り合う「合」に移る正・反・合の総合作用を言う。



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プロフィール

悠村隆道

Author:悠村隆道
ご訪問ありがとうございます。
妻と2人暮らし。68歳。自営業。
自宅で毎日(朝・晩)坐禅をしています。
師事した愚道和夫老師より平成15年「授戒」を受け、平成20年「嗣書」を授かりました。    

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