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中論・13-7頌 均衡した状態の普遍性

第五頌 均衡した状態の普遍性

西嶋先生の訳
均衡していない状態がほんの少しでも何処かに存在すると、均衡している状態は恐らく何処にも存在することができないであろう。

もしも均衡していない状態が全く何処にも見当たらない場合には、均衡している状態が(現に目の前にあるのであって、)将来の存在であるということは決してあり得ない。




中論を勉強しています
もしもありのままでない状態がほんの少しでも何処かに存在するならば、ありのままの状態は恐らく何処にも存在することは出来ず全部消えてしまうだろう。

もしもありのままでない状態が全く何処にも見当たらない場合には、ありのままに状態が既に我々の眼の前に在るので、あらためてありのままの状態が存在する事はない。

坐禅をしました
本来この世の中はこの世の中そのものであるが習慣や思い込み等の「ありのままでない状態」でこの世の中を眺めるならば、「ありのままの状態」が全て消えてしまいこの世の中の一切のものが正しく見えなくなる。

本来この世の中はこの世の中そのものという現実である。だからもしも「ありのままでない状態」が全く何処にも見当たらないからといつまで待っても「ありのままの状態」が現われる事はない、ただ眼の前に現実があるだけである。



*均衡している状態=何ものも足される事がなく、何ものにも減ぜられる事がない状態、ありのままの状態

※「ありのままでない状態」が何処にもないのなら、普通はその反対である「ありのままの状態」が自動的に存在すると考えてしまう。しかし現実の世界は考える世界ではないから、頭で考えた「ありのままでない状態」がないのであるから同じ様に考えた「ありのままの状態」も同時になくなるのが現実である。そこにはある・ないの区別がない現実の世界そのものがある。

※頭で考えると正・反と二つのものが言葉として表現できるが、正がなくなると反もなくなるという両方を否定する方法で現実を表わしている。

※現実をAの考え・Bの考えと分析して理解しょうとした場合、我々はAを選んだならば現実を全てAの考えで理解しょうとするし、同じ様にBを選んだならば現実を全てBの考えで理解しょうとしてしまう。
もしもAの考え方が思い浮かばなければBの考え方が思い浮かぶと思うが、AもBも考え方であるのでAの考え方がなければ同じ様にBの考え方も思い浮かばない。そこにあるのは分析という方法で理解しない現実そのものがあるだけである。



中論・13-6頌 この世の中とこの世の中以外の世界

第六頌 この世の中とこの世の中以外の世界

西嶋先生の訳
もしもこの世の中以外の世界が存在するとするならば、牛乳とヨーグルトとが全く同じものであるという主張が成り立つかも知れない。

(しかし)牛乳と多少違う(ものがヨーグルトであるから、)ヨーグルトの存在はやはり(牛乳の)後になる。




中論を勉強しています
もしもこの世の中以外の世界がこの世の中と全く同一だとするならば、牛乳と牛乳によって作られるヨーグルトとが全く同じものであるという主張が成り立つかも知れない。

しかし牛乳は時間が経つと違うものになる。それはヨーグルトであるが、そのヨーグルトが牛乳に変わって存在するのは確かな事である。

坐禅をしました
もしもこの世の中がこの世の中以外の世界に置き換わるけれどもこの世の中の本質そのものは全く変わらないとするならば、牛乳とその牛乳が時間をかけて作り出したヨーグルトが現在のこの瞬間において全く同じものであるという主張が成り立つかも知れない。

しかし現実において牛乳が時間をかけて変化した物がヨーグルトである。だから牛乳もヨーグルトも確かに存在する物ではあるが、同じ現在のこの瞬間において存在する事を認める事は出来ない。



※ヨーグルトは牛乳が刻一刻と変化し出来上がった物であり、はじめから牛乳の中に内在していた物ではない。牛乳も変化している過程もそしてヨーグルトもその瞬間瞬間の確かな存在である。

※現在の瞬間において牛乳は牛乳そのものであり、ヨーグルトはヨーグルトそのものである。ただ時間をかければ牛乳はヨーグルトにはなるが、時間をかけてもヨーグルトが牛乳になることはない。



中論・13-5頌 現在の瞬間と老化現象

第五頌 現在の瞬間と老化現象

西嶋先生の訳
この世の中以外の存在が、この世の中に含まれているということはないし、(この世の中が)この世の中以外の存在によって縛られているということも絶対にあり得ない。

(現在の瞬間においては、)若者が老衰しつつあるという事実はないし、それと全く同じように、年寄りが老衰しつつあるという事実も決してあり得ない。




中論を勉強しています
この世の中以外に別の世界があるのではないか考えられるが、現実には我々の住むこの世の中だけが存在するのであってこの世の中以外の世界が存在する事はないし、この世の中がこの世の中以外の世界に縛られていることはない。

現実というものは現在の瞬間の状態であるから、現在に瞬間において若者は若者の状態であり老衰しつつあるという事実はないし、それと全く同じように、年寄りは年寄りの状態であり年寄りが老衰しつつあるという事実も決してあり得ない。

坐禅をしました
我々はこの世以外の世界が在るのではないかと想像することがあるが、その様な世界が存在する事は決してないしその様な世界がこの世の中のに一部たりとも含まれていることは絶対にない。そしてこの世の中以外の世界によって我々の生きているこの世の中が色々と影響されるという事などは絶対にあり得ない。

我々が住むこの世の中は現在の瞬間の世界であるから、時間系列による成長するとか老衰するという考え方は真実とは言えない、若者が老衰しつつある事もないし老人も同じ様に老衰しつつある事もない、全てが現在の瞬間の状態である。



*この世の中以外の世界=頭で考え出した世界

※「この世の中は何かによって拘束されている」と言う考え方があるが、では何によって拘束されているのかと言えば習慣と思い込みである。我々はこの頭で考え出した内容によって拘束されている事になかなか気付かないし、気付いたとしてもなかなか解放される事はできないと思い込んでいる。しかしこの世の中は現在の瞬間の世界であるから、本質的には行いの世界である。行いの世界は自分で何をするかが人生であり、何をするかは自分の責任であり自分の選択であるから、我々は何にも縛られていないと云える。




中論・13-4頌 人間の想念と現実の世界

第四頌 人間の想念と現実の世界

西嶋先生の訳
主観的な存在が見当たらない場合でも、この世の中以外の世界が一体何処にあり得るであろう。

主観的な存在によって(われわれの)心が一杯になっている場合でも、この世の中以外の世界が一体何処にあり得るであろう。




中論を勉強しています
我々が頭で考える想念でこの世の中を捉えられない場合でも、この世の中以外の世界を見つける事は難しい。

我々が頭で考える想念だけでこの世の中を捉えている場合でも、この世の中以外の世界を見つける事は難しい。

坐禅をしました
この世の中は我々が名付けている様々なものがある、恐らくこの世の中以外の世界などは何処にもないのであろう。もしもこの世の中以外は存在しないという事に気が付かなくてもこの世の中は厳然と実在する。

この世の中は我々が名付けている様々なものがある、恐らくこの世の中以外の世界などは何処にもないのであろう。もしもこの世の中以外は存在しないという事に気が付いていてもこの世の中は厳然と実在する。



*主観的な存在=我々が頭で考えて名付けた様々なもの

※現実の世界は我々が頭で考えようと考えまいと、現実に気が付こうが付くまいがこの世の中以外は存在することなく厳然と我々の目の前に存在している。

※誰もがこの世の中の存在を信じているが、もしもこの世の中以外の世界があるとするならば、はたしてこの世の中と同じものがこの世の中以外の世界で見つけられるのだろうか、または見つけられないのだろうか?




中論・13-3頌 主観的でない存在と均衡した状態

第三頌 主観的でない存在と均衡した状態

西嶋先生の訳
主観的な存在に縛られていない現実が、さまざまの存在の中に見られる場合には、主観的でない存在が眼の前に見えて来る。

主観的でない存在が現に実在している場合には、均衡した状態がさまざまの存在の中に動いている。




中論を勉強しています
我々が自分の頭で色々と作り出した主観的な思想内容に縛られてない現実が、自分の周りに様々に見られる場合には、自分の頭で考え出した内容ではなく、ありのままの状態が見えて来る。

主観的でない存在が現に目の前にある場合には、いたるところに確固とした存在がありのままに現われてくる。

坐禅をしました
自分の頭で考える想念に捉われてない状態で、この世の中の様々のものを見た場合には、自分にとって都合の良い世界ではなく、ありのままの世界が自分の目の前に見えて来る。

自分にとって都合のいい考え方でないものが既にこの世の中に実在している場合には、ありのままのものが至る所に存在し続けている。



※様々の存在は特別なものではない、いつも存在として見えている。

※この世の中は少しも隠れているものはない、存在はいつもありのままに存在し続けている。




プロフィール

悠村隆道

Author:悠村隆道
ご訪問ありがとうございます。
妻と2人暮らし。68歳。自営業。
自宅で毎日(朝・晩)坐禅をしています。
師事した愚道和夫老師より平成15年「授戒」を受け、平成20年「嗣書」を授かりました。    

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